令和7年 年頭挨拶

  

             山梨県弓道連盟会長 菊池 敏彦

      = 体配は弓道の土台 武道とは他者への思いやり =
                         
 令和七年元旦、山梨県は穏やかな初日を迎えました。しかしながら、昨年の元日、能登半島地震が発生し多くの方々が被災されました。未だ多くの方々が避難生活を余儀なくされ復興にはほど遠い状況にあるとの報道に触れるにつけ、暗澹たる思いを禁じ得ません。加えて地球温暖化に起因すると思われる気候変動の増加に、世界が本気で温暖化にブレーキをかけなければとの思いをつよくしています。
 さて、昨年は山梨県の主管で国民スポーツ大会関東ブロック予選会(通称関ブロ)が開催されました。主管県として、延べ700名を超える会員、高校生弓道部員の協力を得て無事成功裏に大会を終えることができました。ご協力に感謝申し上げます。加えて、予選を突破した少年女子チームが、佐賀県で開催された本大会の近的競技において見事四位入賞を果たしました。県勢にとって久々の本大会入賞ができました。
 一昨年から「遠的競技」の強化をあげ取り組みを始めました。指導部の行事に遠的講習会を取り入れ、また、遠的と近的のハイブリッド大会を昨年スタートさせることができました。引き続いて取り組みを行い、遠的の競技力向上を図っていければと思います。

 平成22年に発刊された「弓道七大学戦半世紀」という冊子の中に、故吉本清信範士へのインタビューが掲載されています。その中で氏は「よく、体配と射技は両輪のごとくとも云われますが、私にとって体配は、射技を活かす、土台のようなものと思っています。入場から一定のリズム・呼吸の中で演じられた射、会から離れへのクライマックスに達して、残心から退場へ、そこに感動を生む射が生まれると思います。(中略)一つ的射礼の時にも、三人の心が一つになり、演じられた射礼では、普段の自分以上の射が出ることがありました。学生時代の団体戦でも、その時の雰囲気で、普段以上の成績がでることがありました。それを生み出すのは、チームワークであり、体配だと思います。体配は大切です。」と言っておられます。体配と射技は車の両輪ではなく、体配は射技の土台である。心にストンと落ちました。一定のリズムと呼吸、大切に取り組んでいきたいものです。

 山梨県弓道連盟の活動を支えるのは、各支部・各道場で弓を引かれている、弓を愛する会員一人一人です。皆様にとって実り多い年となるようご祈念申し上げ年頭の挨拶といたします。

                       
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