令和5年 年頭挨拶

   ~ 原点への回帰 「基本と工夫」 ~

               山梨県弓道連盟会長 菊池 敏彦

 令和5年新春、会員の皆様には新たな心持で新年をお迎えのことと拝察いたします。コロナウイルスの感染状況は依然として厳しいものがありますが、知恵を出し合い、新たな日常を獲得し、卯年の今年を会員一人一人にとっても山梨県弓道連盟にとっても飛躍の一年となるようにしたいものです。
 さて、昨年3月18日、「弓道教本」第一巻が補正増補され、山梨県においても多くの会員の皆様にご購入をいただきました。購入を機に、改めて教本を読み返された方も多いのではないかと推察されます。付録として添付されている「弓道教本(第一巻)補正表 教本の読み解き方」の16P中段には、『人は老若男女、それぞれ体格や体力、骨格や筋力などに違いがある。また社会環境や生活様式、価値観など、その根本となる物事の考え方は時代ごと国ごとに異なり、普遍ではない。故に「教本」は、基本のみを取り纏め、個々が違いに応じて工夫できるよう、そして時代の変遷や多様性に対応できるよう、細かく決め過ぎずにあえて曖昧な表現で編纂されている。弓道の指導にあたっては、このことを十分に理解の上、「教本」を正しく読み解いていただきたい。』とあります。
 『個々が違いに応じて工夫できるよう』という文言は、大変重みのある言葉と思います。指導する際にも、自分自身が実践する際においても、先ずは「教本」に書いてある通りに実践し、その先の細部については、各自が「工夫」をしてみることの大切さを指摘しているものと理解します。
 現代の弓道の原点は教本にあります。補正増補を機に原点に返り、教本を折に触れ読み返し実践することを会員各位に推奨するとともに、自身も実践していきたいと思います。特に巻末の「射法八節図解」に関しては、稽古の度に繰り返し見返してみてはいかがでしょうか。習熟の度合いに応じ、新たな「気づき」が必ずあるものと思います。そして、その「気づき」こそが、工夫につながり、各自の弓を更なる高みに向上させてくれる道標になるものと確信します。結果として、会員各位がそれぞれ昇段昇格を果たしてくれることを心から願うものです。
 今年こそコロナウイルス感染の影響から解放されること、また、ウクライナをはじめ、世界各地の戦争・紛争が終結することを願いつつ、会員一人一人にとって実り多い年となるようご祈念申し上げ年頭の挨拶といたします。

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