新時代のスタートと捉える
~「コロナ禍」での弓道の在り方~
山梨県弓道連盟会長 菊池 敏彦
明けましておめでとうございます。令和3年、丑年がスタートしましたが、昨年から続く新型コロナウイルス感染拡大により、今年も様々な制限が加えられ不自由を強いられる一年となりそうな年明けとなりました。
昨年を振り返りますと、4月に緊急事態宣言が出され、全日本弓道連盟の主催・主管する講習会・審査会・大会がすべて中止となり、県連行事も8月までは、7月の遠的大会を除き、大会・審査会・講習会を中止せざるをえませんでした。9月以降の行事については感染予防(いわゆる「三密」回避、手洗い、消毒の徹底等)を図りながら、会員の皆様方のご理解ご協力をいただく中で、従来の形式を柔軟に変更しながら大会、審査会、講習会を開催することができました。高校生の二段までの審査がビデオ形式になったのはその象徴的な変更でした。また、五段の審査を2回実施することができ、5人の合格者が生まれたことは大きな成果でもありました。
コロナ禍は、私たちの日常に多くの変革をもたらしてきました。リモートワーク、オンライン授業、時差出勤・時差登校、無観客での各種大会の開催、リモートコンサート、リモート飲み会など、仕事・学業・芸術・スポーツなどすべての面にわたりました。その中で、やむを得ず中止となった行事も多岐・多数にわたるなか、創意工夫をする中で、秋以降は実施にこぎつける行事もたくさんあったのは救いでもありました。
コロナ禍は、私たちの行動に大きく制限を加えてきました。その点では大変なマイナスを私たちに強いてきていますが、考え方を変えて、私たちの常識・慣例について根本から見直す良い機会(チャンス)と捉えると前向きな積極的な行動が生まれるように思います。道場での活動時間が減った分、その時間を自宅でできること(イメージトレーニング、体幹トレーニング、四姿勢・八動作の反復、弓道教本等関連の書籍をじっくりと読み込む等々)にあててみてはいかがでしょうか。また、会場の使用制限は、行事の在り方を見直すチャンスでもあり、会員の知恵を集め、より合理的な行事の運営に取り組みたいと考えます。
令和3年、弓道に関する創意工夫のある行動が、個人レベルでも、支部レベルでも、県レベルでもできれば、やがてコロナ禍が終息し、伸び伸び弓道ができるようになった時に大きな成果となって出てくることを信じて、未曽有の状況を乗り切っていきましょう。
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◇ 令和2年年頭挨拶
◇ 令和2年度会長挨拶