令和2年 年頭挨拶

  令和二年 さらなる上達のために
       ~「再現性」の向上と「言語化」~

               山梨県弓道連盟会長 菊池 敏彦

 明けましておめでとうございます。新元号「令和」が昨年5月にスタートしました。「令和」には、「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つ」という意味が込められているそうです。令和の時代が、平和で心豊かな時代になること、会員各位及び本連盟の益々の発展につながることを心からお祈りいたします。
平成31年・令和元年は、昨年に引き続き多くの昇段昇格者が生まれ、また、講習会や各種大会への参加者も多く、盛況であったように思います。全国大会や関東大会においても、もう一息というところで大きな成果につながるのではと思えました。2年越しに準備を積み重ねてきた全日本女子弓道大会東日本の部が、台風19号のために止む無く中止せざるをえなかったことは大変残念でした。しかしながら、準備・リハーサルの過程を通して女子会員の競技運営面でのスキルアップが図られ、結束が強くなったと思われることは大きな収穫であったように思います。今後の本連盟の活動に生かしてもらえれば幸いです。
さて、弓道は28m先の、直径36cmの静止している的を射止めるという、極めてシンプルな競技です。従って、的中する確率を高めるには、「正しい射行が繰り返しできること」が求められます。いわゆる「再現性」を高めることです。10回試行するなかで、正しい射行で的中することが1回できた。明日は2回、明後日は・・・。この確率を向上させることが即ち「再現性」を高めることです。では、どうやったら再現性を高めることができるのか。
そこで提言したいのが「言語化」です。射法八節の要点は教本1~4巻他多くの文献に詳説されています。講習会等で講師の先生方から教授されたことも重要です。そして、日常の稽古の中で、教本等に書かれていること、教授されたことを如何にして自分のものにしていくかが重要となります。「言語化」については、月間「弓道」2019年9月号の閑話弓題「形状記憶と弓道修練」の中で徳島県連大惠俊一郎会長(前全弓連副会長)も触れられています。何となくのフィーリングではなく、正しい射行を確実に繰り返すために、射法八節の各節それぞれに、自分なりの「言葉・表現」を見出すことです。それも、できるだけシンプルなものを。そうすることで、正しく同じことを再現しやすくなるのではないでしょうか。なるほどと思われた方はぜひ取り組んでみてください。
 山梨県弓道連盟の活動は、各支部・各道場の日々の活動がもととなっています。引き続き、それぞれの支部・道場において活発で創意ある活動を期待します。そして、一人でも多くの弓道愛好家が県連に集い、県の大会・講習会・審査会等を盛り上げ、全日本選手権大会・関東選抜大会、国民体育大会等において山梨旋風を巻き起こしてくれることを祈念して年頭の挨拶とします。